8日早朝、奈良県桜井市内にある近鉄大阪線の踏切で、遮断機や警報機が作動した後に踏切内へ進入してきた軽乗用車が通過列車の側面に衝突する事故が起きた。クルマは大破したが、列車の運転士は衝突に気がつかず次駅まで止まらずに進んだ。
奈良県警・桜井署によると、事故が起きたのは8日の午前6時50分ごろ。桜井市大福(N34.30.34.5/E135.49.53.8)付近にある近鉄大阪線の踏切で、遮断機や警報機が作動した後に踏切内に進入してきた軽乗用車と、下り快速急行列車(上本町発/鳥羽行き、6両編成)が衝突した。
クルマは列車の前から3両目に衝突して大破。現場近くに住む80歳の男性と77歳の女性は車外に投げ出され、全身強打でまもなく死亡した。列車の乗客乗員約300人にケガはなかった。
側面部への衝突だったこともあり、事故を起こした列車の運転士は衝突したことに気がつかず、そのまま約1.5km先にある次の停車駅(桜井駅)まで進行。大破したクルマは対向列車の運転士が発見したという。
目撃者によると、クルマは踏切待ちのために停車していたが、列車が差し掛かる直前に遮断棹を破壊して踏切内へ進入。手前側の線路を通過した列車の左側面に突っ込んだようだ。
警察ではアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性が高いと判断。運転者の特定を進めている。